浄土真宗本願寺派 福岡組 情報配信所

仏様のおはなし新シリーズ 第111集　「親鸞さまのお誕生「降誕会(ごうたんえ)」」

　浄土真宗の宗祖である親鸞さまは１１７３（承安3）年5月21日に京都の日野の地で誕生されました。9歳の時、得度され比叡山で20年の間、自力修行にいそしみ、さとりの道を求め続けられました。しかし、さとりを得ることは出来ず、29歳の時に山を下り六角堂に100日間のおこもりを志し、95日目に聖徳太子から夢のなかにおすすめをうけました。それによって東山吉水で他力念仏の教えを説く法然聖人のもとに100日間通い続け、ついに阿弥陀如来の本願に帰する身となられたのです。
　阿弥陀如来は、あらゆる者を救いたいと願われ、南無阿弥陀仏の名号を完成されました。阿弥陀如来の智慧の光は私のありのままを照らし出し行く道を示して下さり、慈悲の心で寄り添い人生を共にしてくださいます。阿弥陀如来は、「必ず導き救いますから、私にまかせて南無阿弥陀仏と念仏申す人生を歩んでください」と、呼び続けておられます。
　親鸞さまは、「あらゆる者を救いとる教えこそ真実の教えであり、いま悩み、悲しみをかかえて苦しんでいる私たちに阿弥陀如来は、はたらきかけられている」とお示しになりました。
　その阿弥陀如来の光に照らされて見えてきた私の姿は、煩悩にまみれ自己中心の考えにとらわれた迷いの姿であります。
　
　親鸞聖人は浄土和讃に
　　「生死の苦海ほとりなし　ひさしくしづめるわれらをば　
　　　　　　　　　弥陀弘誓のふねのみぞ　のせてかならずわたしける」
　と、お示し下さいました。
　
　阿弥陀如来は、迷い苦しみの中にいる私たちを導き、本願を信じさせ、お念仏申させ、いのち終えるとき、すみやかに浄土に生まれさせ、仏とならせて下さる。それによって慈悲の心をおこし、あらゆる者を救いとるために、はたらかせていただくのです。
　親鸞さまが誕生され、他力念仏の教えに帰されなければ、私たちがこの教えに出遭うことはなかったでしょう。ありがとうございます、南無阿弥陀仏。